映画・ドラマ

【あらすじ・感想】映画『万引き家族』本当の家族とはなにか?日本社会の問題に向き合う作品

映画『万引き家族』。

これまで『そして父になる』『3度めの殺人』など、ヒット作を生み出してきた是枝裕和監督の映画です

万引き家族』は国際的にも認められ、カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞!

日本というある程度豊かな国にいながら、それぞれに問題を抱えて集まった6人。

  • 血縁関係のない6人が、なぜ家族として一緒に暮らしていたのか?
  • なにが正解なのか?

貧困や虐待、DVなど、社会問題を掘り下げた内容の作品です。

映画『万引き家族』

映画『万引き家族』

監督:是枝裕和

ジャンル:ドラマ・ヒューマン

オススメ度:★★★★☆/★4

9

ストーリー

6

おもしろさ

6

スリル

10

テーマ性

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映画『万引き家族』あらすじ・概要(※以下ネタバレあり!)

高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも崩れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である祖母の初枝の年金だ。それで足りないものは、万引でまかなっていた。社会という海の、底を這うように暮らす家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、口は悪いが仲良く暮らしていた。そんな冬のある日、治と祥太は、近隣の団地の廊下で震えていた幼いゆりを見かねて家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と説なる願いが次々と明らかになっていく―。(C)2018フジテレビジョン ギャガ

Amazon Prime Videoより

監督:是枝裕和

貧困虐待DVなど、明るいとは言えないテーマの作品だと思いますが、家族からは悲壮感が感じられません。

その日暮らしの家族ですが、むしろ力強く、社会に抵抗して戦っているようにも見えました。

それぞれの人物が、問題や葛藤を抱えていて、特に小さなゆりに至っては、虐待に何も抵抗出来ない分胸が苦しくなります。

決して後味が良いとは言えないラストですが、この映画を見たあなたが、どう思うか?なにを感じるのか?問題提起されているように感じました。

登場人物

今回の登場人物は、それぞれが持つ事情や背景が濃すぎます。

柴田治(リリー・フランキー)

柴田家の父で、日雇いの仕事をしていたが、軽い事故によって足にヒビが入る。お金を稼ぐ手段を失うが、焦る様子は全くなし。

万引きや車上あらしなどの犯罪をする一方で、信代とともに息子・祥太をパチンコ屋の駐車場に停めてあった車の中から救い出す。

そして祖母の初枝の年金をあてにするが、邪魔にするわけでもなく、妻・信代や子どもたちに対する愛情は深い。

足が完治しても、働き出す様子はない。

基本的に未来のことは考えず、その時が良ければ良い、というようにも見える。

病院に祥太を置きざりにして逃げようとして捕まるが、家族への愛は本物だったよう。

祥太との関係も、祥太の未来を鑑みて「もう会わない」という決断を下したのも、父親としての愛があったからこそ。

ラストでバスに乗る祥太を追いかける様子は、まさに父親が遠方に旅立つ息子を見送るようなシーンにも見える。

柴田信代(安藤サクラ)

治の妻であり、母でもある信代。

クリーニング店で働き、治と同様家族への愛情が深い。

中でもゆりは、自分と同じように虐待されたことがあったためか、一層かわいいよう。

昔DV夫を治とともに殺し、自宅の畳の下に埋めている。

また、初枝の死後に再度畳の下に埋めることを決めたのも信代。

肝がすわっており、血縁関係のない家族の形を保つための方法を迷わず選択する。

捕まったあとは、殺人や死体遺棄を自分一人の責任として、家族をかばう。

刑務所内で治・祥太と面会し、治たちをかばったことを「私、楽しかったからいいの。」と笑顔で話すシーンは、まさに母親そのもの。

個人的に迫力のある演技と普段の表情の違いから、大好きな女優さん。かわいくて美しい…。

柴田祥太(城桧吏)

おそらく10歳前後の長男。

偽りの家族であるため、学校にも通っていない。

パチンコ屋の駐車場で置き去りにされていたところを、車上荒らししていた治・信代によって救われた。

以前の家のことはなにも覚えていないと話すシーンがあることから、相当小さい頃に柴田家に来たと考えられる。

小学2年生の教科書で『スイミー』をよく読んでいた。

はじめのうちはゆりのことを家族として認めないが、心根が優しくゆりのことを妹として面倒を見たり、万引きからかばったりする。

ずっと万引きを正しいことだと思っていたが、駄菓子屋で店主にお菓子をもらいつつ「妹にはやらせるなよ。」と言われ、善悪の意識が芽生える。

正直で心根の優しい祥太は、万引きでわざと捕まることで、自分の罪を償いたかったのかもしれません。

柴田りん=ゆり(佐々木みゆ)

https://twitter.com/manbikikazoku/status/1097742070486261763?s=20

冬のアパートの外(廊下)で治と祥太に見つけられ、柴田家に連れて行かれる。

柴田家で食事を与え、一度は実の両親に返そうとするが、いなくなったゆりを気にもとめず言い争いをしている両親の声を聞いた信代が、柴田家の娘として育てることを決意する。

家庭環境が複雑で、実の両親に虐待を受けて体が傷だらけ。

幼いゆりの腕にはアイロンを押し付けられたあとも。

ゆりがいなくなってから2ヶ月後に、やっと実の両親は捜索願を出す。

治と信代の犯罪が明るみになった後に両親の元へ帰るが、やはり母親に邪険に扱われて1人で遊んだり、母親に怯えたりする。

実の両親の元に数カ月ぶりに帰宅できて、世間的にはハッピーだが、一番つらい境遇なのはゆりという結末。

柴田亜紀(松岡茉優)

https://twitter.com/manbikikazoku/status/993796237324271616?s=20

信代の妹の設定。

信代と話すシーンは、まさに姉妹の会話のよう。

JKとして怪しい店で、実の妹の名前「さやか」を源氏名として働く。

そこのお客さん「4番さん」と自分の境遇を重ね、心が通じ合うシーンがある。

祖母の初枝を一番慕っており、実の父は初絵の前夫と浮気相手との子ども。

どのようにして柴田家に来たのかは、映画内では不明だが、家族の絆やぬくもりを求めているような場面が多く描かれている。

両親に虐待はされていないにしても、愛情に飢えていた様子。

柴田初枝(樹木希林)

https://twitter.com/manbikikazoku/status/992682075508506624?s=20

亜紀と同様、どのようにして柴田家と知り合ったのかは不明。

しかし、本当の家族のように、優しいおばあちゃんとして家族に接する。

鈍感なふりをしているが、観察力が鋭く、柴田夫妻が半分お金目当てだったことは気付いていたのではないかと個人的には感じる。

家族全員で海に行った時に、満足気に口パクでなにかをつぶやく。

そしてその後柴田家で亡くなる。

葬式費用の捻出ができないことや、家族の実情を知られるわけにはいかないことから、信代たちに自宅の畳の下に埋められる。

映画『万引き家族』の感想

日本社会で起きている問題の縮図が柴田家

何度か書いていますが、貧困やDV、虐待など、日本が抱えている問題点を、一つの家族をとおして描かれています。

  • 仕事をしたくても、できる場所がない
  • DVから逃げる方法がわからない
  • 虐待されている子どもを救う方法がわからない
  • 自分がどう生きていきたいのかわからない

そういった状況、全てが詰まったのが『万引き家族』なのではないかと感じました。

治も信代も、万引きをはじめ、誘拐や死体遺棄の罪も知っています。

後先を考えずに、めんどうなことを後回しにしたり、後にバレる罪を重ねてしまうのは、治と信代がそもそも必要な教育を受けてこなかった結果なのかもしれません。

刑務所内で信代が、柴田家で過ごしたことを振り返り「楽しかったから、いいんだよ。」と話したシーンからは、信代が柴田家で過ごせたことを満足している様子がうかがえます。

しかし面倒なことを避け、自分がほしかった家族の絆だけを手にしようとした結果が、家族の離散でした。

  • もしも信代がDV夫を殺さず逃げることができていれば
  • もしもお金を稼ぐ手段があれば
  • もしも子どもたちが虐待されていなければ

柴田家が集まることはなく、集まっても罪を重ねず済んだでしょう。

日本社会の問題が詰め込まれたのが柴田家で、気づかないだけで多くの問題があちこちで起きている。

「問題から目をそらすな!」というメッセージを、映画から感じました。

親としての正解とはなんなのか?

柴田家の子ども2人は、どちらも親に虐待をされた経緯を持ちます。

子どもたちは柴田家で食事を一緒にしたり、海に行ったりなど、楽しく過ごします。

その反面、学校にも行かず、汚れて散らかった家で、万引きの罪を重ねながら過ごす。

信代は捕まった後に「子どもを産んだだけで母親なの?」と警察官に尋ねる場面があります。

もちろん、実の両親がしたことは明らかな虐待です。

しかし、教育をせず、万引きをさせて、死体を隠す手伝いをさせるのも明らかに虐待の一種でしょう。

治と信代は、優しさもあったとは思いますが、方法は間違っていました。

信代の言ったように、子どもを産んだだけで親ではないでしょう。

しかし、治と信代もまた、子どもたちを虐待から救ったとは言え、親とは言えないでしょう。

「親としての正解とはなんなのか?」を問われた気がしました。

子どもたちにとって、何が幸せなのか?

柴田家の子どもとして育てられた祥太とゆり。

治と信代が捕まってから、祥太は児童養護施設へ行き、ゆりは実の両親のもとに帰りました。

祥太は学校へ通い、清潔な服を着て、表情も明るく変わっていました。

一方ゆりは実の両親のもとで母親に邪険に扱われます…。

映画のラストで、対照的な祥太とゆりを描くことによって、虐待問題の根深さを表しているのだと私は解釈しました。

また、ゆりの姿を描くことで、子どもが殺される痛ましい事件が起こらないよう、願いが込められているのかもしれませんね。

映画『万引き家族』感想のまとめ

ニュースで見ていても「自分には関係ない」と、どこかスルーしていた内容が深堀りされた映画です。

しかし「それではいけない!日本全体できちんと問題と向き合え!」と言われているような気がしました。

向き合ったところで、特になにもできるわけでもないけれど、それでもひとりひとりの考え方を変えてくのが大切だと私は感じました。

私のようにスルーしてしまう人にも、この映画が届いてほしいと思います。

胸に刺さった映画なので、小説もそのうち読んでみようかな…。

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ABOUT ME
あんさや
元ナース。実務7年後に退職の後、現在はWebライターとして活動中。夫、娘、息子、犬(りっちさん)との5人家族。小学3年生の娘とともに、プログラミング学習実践中!