映画・ドラマ

【あらすじ・感想】映画『劇場』劇場から降りても、人生は続く

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、公開の延期&AmazonのPrime Videoで同時配信となった『劇場』。

もう映画館での上映は終了していますが、Prime Videoでは引き続き観ることができます!→Amazon Prime Videoへ

お笑い芸人・ピースの又吉直樹さんの原作をもとにした映画です。

劇団の脚本家と大学生の2人の恋愛模様を描いた作品なのですが、観た後はなんとも言えない気持ちに…。

ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、日常が続いていく…。

勝手な想像ですが…「劇場」というタイトルは2人の恋愛を「劇場の舞台」になぞらえて付けられたのではないかなと感じました。

女優・俳優が劇場の舞台で演じて、幕が下りれば一般人になるように、2人の恋愛が終わっても人生は続いていく。

ちょっと伝わりにくい表現かもしれませんが、そんなふうに感じました。

映画『劇場』

映画『劇場』

原作:又吉直樹

ジャンル:青春、ドラマ、ロマンス

オススメ度:★★★☆☆/★3

8

ストーリー

6

おもしろさ

5

スリル

7

テーマ性

映画『劇場』あらすじ・概要(※以下ネタバレあり!)

高校からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑)。しかし、その劇団は上演ごとに酷評され、解散状態となっていた。ある日、永田は街で、偶然、女優になる夢を抱き上京し、服飾の大学に通っている沙希(松岡)と出会う。常に演劇のことだけを考え、生きることがひどく不器用な永田を、沙希は「よく生きてこれたね」と笑い、いつしか二人は恋に落ちる。沙希は「一番安全な場所だよ」と自宅に永田を迎え一緒に暮らし始める。沙希は永田を応援し続け、永田もまた自分を理解し支えてくれる彼女に感じたことのない安らぎを覚えるが、理想と現実と間を埋めるようにますます演劇に没頭していく―。夢を叶えることが、君を幸せにすることだと思って。©2020「劇場」製作委員会

Amazon Prime Videoより

原作:又吉直樹

監督:行定勲

又吉直樹さんといえば、お笑い芸人として活動しているほか、第153回芥川賞受賞作『火花』でも非常に有名になりましたよね!

たくさんの才能を持つ又吉さん。

実は原作は読んでいませんが、この映画で内容が気になったので、小説版『劇場』もそのうち読んでみたいと思います!

登場人物

永田(山崎賢人)

https://twitter.com/gekijyo_movie/status/1288081889215934464?s=21

劇団「おろか」で脚本家兼演出家として活動しており、年齢は不明。物語のはじめでたぶん20代前半くらい(年齢途中で出ていたらすいません。)

がんばって書き上げた脚本で小劇場で上演するも、観客からは酷評。

同劇団のメンバーに八つ当たりして、劇団は散ってしまう。

そんな中、沙希と街で出会って一緒に舞台をします。

うまくいかない脚本や人生。
まわりにコンプレックスも強く抱いている様子で、コミュ障感もすごい。

仕事をしていないため、お金がない永田は沙希のアパートで暮らしますが、夢や希望でキラキラしている沙希に嫉妬。
沙希のバイト仲間とかにも嫉妬。

そして沙希に八つ当たりをしまくる…。

キングオブザクズ」と言っていいくらいの、嫌な男です。(山崎賢人さんは大好きです。)

そんな永田のせいか、沙希は徐々に精神を病んでいき、アルコール中毒っぽくなってしまいます…。

自分から沙希が離れようとしたり、アル中になった沙希に対して優しく接してるあたりから、私は永田にDVっ気を感じてしまいました。

ただ、沙希のことは本当に愛している様子。

沙希との出会いの場面でもコミュ障全開ですが、人との付き合い方がわからなかったり、感情を上手に表すことが難しいだけなのかもしれません。

沙希(松岡茉優)

https://twitter.com/gekijyo_movie/status/1283008404328341504?s=21

女優を目指して服飾の大学に通っている。
明るい性格で、常に周囲を優先にするタイプの女の子。

すごく健気で、永田のことが大好きなのですが、ことごとく気持ちを踏みにじられます。

夢も途中で諦めてしまった様子で、バイトをして永田を支え、応援しようとしますが、永田の性格や振り回されてしまったことが原因か、どんどんと病んでいきます。

アル中のような状態になり、実家に帰ることに。

正直、舞台の幕引きのように沙希が死んでしまうんじゃないかとか、心配しながら映画を観ていましたが、そんな展開はなかったので良かったです…。

夢を諦めたかのように見えていましたが、沙希の夢は「永田が脚本家として成功する。側で成功するための手伝いがしたい!」というふうに変化していたのでしょう。

永田から離れなかったのは、一緒に作り上げた舞台で、夢の女優ができたから。その体験を共にした永田に強烈な憧れを抱いたからかもしれませんね。

あとは永田を支えるという名目で、1人では生きていけない永田に実は依存していたのかもしれません。

映画『劇場』の感想

感情がぐちゃぐちゃに混ざった人間臭さ

正直永田はクズすぎて、途中何度もむかつきました。
下のツイッターは、私が一番永田にムカついたあたりの部分です…。笑

https://twitter.com/gekijyo_movie/status/1281921260981645312?s=21

永田は脚本家としてうまくいかず、本当は沙希を幸せにしたかったけれど、自分の弱さを抑えることができませんでした。

映画の途中でもありましたが、沙希にだけはかっこいい自分と思い続けて欲しい。
その思いで沙希の気持ちを考えずに振る舞った結果、沙希の精神を病ませてしまったんですよね…。

ただ、心底むかつきましたが、本当は沙希を自分が幸せにしたかったという思いがひしひしと伝わってくるんですよ…。

夢も叶わず、コミュ障で嫉妬ばかりして何もできない無力な自分。沙希のことも幸せにできない自分。

感情が全部ぐちゃぐちゃに混ざって、弱くて、それが妙に人間らしくて、泥臭くて…なんとも良かったです…。

永田をそういうふうに見せた演出も、山崎賢人さんの演技も素晴らしかったと思いました!

『劇場』の意味とは…

冒頭でも書きましたが、『劇場』は2人の恋愛と人生についてを表しているのだと感じました。

女優・俳優が劇場の舞台で演じて、幕が下りれば一般人になるように、2人の恋愛が終わっても人生は続いていく。

ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。ただの日常。

最後に永田は劇場で成功する場面が描かれますが、沙希との関係は終わってしまった様子。

でも当たり前に日常は続いていく。

最後の2人で過ごした部屋が、劇場となり、思いを吐露できた場面も素敵でした。

舞台で話す永田の思いに「ごめんね」と涙を流しながら観客席から見る沙希。

劇場は、感情表現が下手くそな永田が、本当の思いを伝えるための場所だったのかもしれません。

共感してしまう

永田も沙希も極端に屈折していたり、相手に尽くしたり…

自分とは全く違うタイプなのに、少なからずそういう部分が自分にもあるんですよ。

理想の自分とちがって「うわあああ!」と苦悩したり、人に八つ当たりしてしまったり…

永田ほどストレートに感情を表現できる人はなかなかいないと思いますが、少なからず自分にもそういう部分があることを思わず自覚してしまいました。

不器用なのに、理想の人生を目指したい。

弱い永田だったからこそ、沙希も離れられなかったのかもしれません。

映画『劇場』感想のまとめ

それぞれのシーンがとても丁寧に描かれている映画でした。

正直「長いなぁ…」と思うシーンもありましたが、丁寧に描かれているからこそ、永田と沙希の心情が伝わってくる映画だと思いました。

普段映画を観終わったら「あー、面白かった!」で終わるのですが、『劇場』は観た後も永田の気持ちや沙希の気持ちや映画の意味を考えてしまいました。

それもこれも監督・行定勲さんの思いや山崎賢人さんや松岡茉優さんをはじめとした俳優さん達の演技ならではでしょう。

AmazonのPrime会員の人や、人間くささを感じる映画を観たい人には、ぜひおすすめの映画です!→Amazon Prime Videoへ

小説買ってこよ。

ABOUT ME
あんさや
元ナース。実務7年後に退職の後、現在はWebライターとして活動中。夫、娘、息子、犬(りっちさん)との5人家族。小学3年生の娘とともに、プログラミング学習実践中!